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こころの金メダル

こころの金メダル

児童と生徒の違い

児童と生徒の違い



小学生という名の「児童」と中学生という名の「生徒」とはずいぶんと違うなぁと思いました。

小学校に赴任して1年目(6年生の学級担任)はずいぶんととまどいました。

前年度が中学3年生の学級担任だったということもありますが、最初は、どう扱って良いのか「手探り状態」でした。

ようやく慣れてきたのは、3学期に入ってからでした。

 どちらがいい悪いの問題ではなく、今までに気が付いたことをまとめてみました。





6 距離感


「距離感」というのは、教師と子どもとの距離ということです。

今、中1で合唱の練習をしています。

というのは、来週の金曜日に学年で「合唱コンクール」を実施するからです。

各クラスが、いろんな時間を使って練習をしています。

今日、2組担任の若い先生(20代女性=体育科、2年目で初担任)と話したんですが、

「なかなか、みんなが真剣に練習に参加してくれない」という悩みを打ち明けてくれました。

そこで私が言ったのは、「距離感」です。

「距離を近くとって『やれ!やれ!』だけでは、生徒は動かない。時には突き放して、距離を遠くとってみる。でも、離れてばかりいてもダメで、時期を見ては近づいて行って『さぁ、やるで!』といったところを見せる」

これが大事だと私は言いました。

これが、中学生を相手にする時、難しいところなんですね。

「やれ!」だけでは反発するし、放っておいてもうまくいかない。

何年も経験して、いろんなテクを身につけてくると、そのあたりがわかってくるのだが、最初のうちはなかなかつかめずに、ついつい押し付けになったりして、生徒と衝突してしまう。


小学校では、こういうことがなかった。

私のいた小学校は、子どもがとても「おとなしい」学校だったからかも知れないが、「はいっ、歌って!」で終わり(笑)

何の工夫も苦労も必要ない。それこそ、距離感などという発想も必要ない。

でも、子どもが「たいへん」と言われているような学校では、なかなかそうもいかない場合も多いと思う。


やっぱり、中学生というのは、年齢的に、そういう時期だと思うので、うま~くもっていってやらないと軋轢が生じる。

そこに早く気づいていかないとダメなんやな・・・。


子どもを「のせる」ためのテクを身につけていくことが大切だとつくづく思う。






5 意 識


 先日、去年担任していた子(当時5年生=現6年生)から、手紙をもらいました。

近況などを報告してくれていた中に、「去年の『南中ソーラン』は一生、忘れることが出来ない思い出になりました」と、書いてくれていました。

私も同じです。あの感動は、生涯、脳裏に焼き付いて離れないでしょう。それほど、素晴らしい出来でした。(詳しくは『南中ソーラン成功させ隊』を参照)



それで、あの時のことを思い出したんですが、本番当日の2~3日ほど前にハッピ(黒地に赤の衿)ができあがりました。

そのことで、私と、同学年だったU先生(私よりも4~5歳上、20年以上のベテラン)とで、意見の食い違いがありました。



U先生は、「今日の練習で、ハッピを着させよう」と言いました。

でも、私は、それには反対でした。

なぜなら「ハッピとかユニフォームとかは人のテンションを大きく上げていく」からです。

この武器(と言ってもいい)は、当日までとっておくべきだと考えていたからです。

当日に、初めてそれを着て踊ったら、実力以上のものが出ると思っていました。



現に、私は、過去の中学校現場で、応援合戦や組み立て体操、ダンスなどの時はそうしていました。

それで成功していました。

そのことをU先生に対して主張したんですが、U先生が言うには、

「小学生と中学生とでは違う。小学生は、そこまでの意識の高まりはない。それよりも事前に着せて慣れさせておくことの方が大切なんだ」ということでした。




私は納得して、そうしました。U先生は視野広く、私の言うことも「それは中学校」と決めつけるのではなく、「取り入れていこう」という姿勢を常に見せてくれていたので、私は、引けるところは素直に引くことができました。




そして、ハッピを来て練習をしたんですが、やはりU先生の言う通り、子どもは最初、すごく違和感を感じていて、いつもの半分ぐらいしか、いいところがでませんでした。

でも、2~3回やっていると、ハッピを着ていることに慣れてきたのか、動きがとてもよくなってきて、普段通りの出来に戻りました。

私は「あぁ、自分の意見を通さなくて良かった」と思いました。

あのままで本番を迎えたら、一生後悔するところでした。




それにしても、U先生の意見は的確でした。



このことで学んだのは、小学生というのは、やはり「こころ」の部分が、まだまだ未発達なんだなということです(悪い意味ではなく)

人情とかいう部分は、中学生段階ぐらいから、少しずつ発達していくんじゃないかなと思いました。

だからと言って、「小学生には、何を言ってもダメだ」と言っているわけではありません。

むしろその逆で、小学生は、どんなことでも素直に吸収していくので、「良い栄養(言葉など)」を与え続けたら、どんどん成長していくと感じました。

年齢的には、ほとんど差がないんですが、やはり大きな違いがあると痛感しました。U先生の広い視野には、今でも心から感謝しています。





4 発 表


小学生は、とにかくよく発表します。

全員ではありませんが、みんなの前で自分の意見を出すということに対して、おくするところがありません。

まだまだ思春期には遠く、「自分が人からどう見られているのか」という意識がまだあまりないからなのでしょうか。

学年全員が集まった場所でも、恥ずかしがることもなく、どんどん手を挙げて発言するのには驚きました。

教師も、そのことがわかっているので、どんどん言わせていくし、評価もしていくから、子どももどんどん言っていくという「良い循環」が生まれていく。

中学校ではなかなか難しい。「照れ」「恥ずかしさ」が前面に出るからだ。





3 授 業
 


 「中学生」のように(全てそうではありませんが)「教え込む授業」は、なかなかできません。

常に興味事や関心をこちらに向けておく必要があります。

「小学校」の授業は、1時間の目標(この時間内で何を伝えるのか)が、より明確でなければならないと感じる。

自分は中学校で教えていた時に、このあたりがあいまいであったことを反省している。



2 思 考


 「小学生」は、思考に広がりが少ないです。

というのは、こちらが何か話をするとします。

例えば、「人をイジメるというのは、どういうことなんやろう?」と。

そしたら多くの場合、「イジメはあかんねんな」というところでストップしてしまいます。

そこから「なぜ起こるのか」とか「自分はどんな立場に立っているのか」というような部分にはなかなか広がりません。

「中学生」でもそうかもしれませんが、まだ、広がりの手応えがあったように思います。


 別の表現をすれば、「小学生」は1本ずつの「線」で、中学生は「面」であるという感じがします。

4年生以下はもったことがありませんが、おそらく、もっと「線」に近いと思います。

その「線」を、どうやって束にしていくかが課題だと思います。





1 集 中



 1時間を集中させるのが難しいのが「小学生」です。

別に「中学生」を1時間、集中させて授業に向かわせていたわけではありませんが、少なくとも「中学生」は、おとなしく座っています。

立ち歩きはしませんが、「小学生」は、おとなしくジッとしているという時間があまり長くは続きません。

「集中して話を聴いている」という時間は、だいたい15分(長くて)ぐらいではないでしょうか。

残りの30分をどのように展開させていくか、これがとても難しいと思います。

 ただ、「小学生」は活発に意見を出しますので、意見を出させながら授業を展開していけるので(中学生に比べて)、その点では進めやすいと言えると思います。









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